大物が捕食するタイミングは月齢に支配されている!「いつ釣れるか!」に迫る究極の時刻表「大漁時刻表」の紹介。シラガウニの販売も

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屋久島 前篇

2007年1月 執筆

草垣群島の魅力

草垣群島は大きく上ノ島・中ノ島・下ノ島の3ツの島々で構成されている。枕崎港から南西約90Km瀬渡船にて所要時間2時間半の東シナ海にある現在無人島の島々である。
この険しい環境下でも縄文時代から古墳時代に至る遺跡や石器などが出土している事で人間の生命力の偉大さにはびっくりさせられるばかりである。島の西側には下げ潮ポイントが東側には上げ潮ポイントが無数点在し上物では大型尾長グレ、メジナ、ツンブリ、ヒラマサなど底物では口白石鯛、イシガキ鯛、アラが年中狙える釣人を虜にするような場所が点在している。
草垣群島に初めて行ったのは昭和55年であった。朝、島に到着し船底から出て見た周りの険しい岩肌の光景には圧倒された!その事だけは今でもはっきりと覚えている。
それからは何かに取り付かれた様に年2~30回は草垣通いが続いているのが現状である。最近2~3年は天候不良が重なり行く回数が激減したが・・。

さて、草垣群島はポイントが多すぎるのでポイントを覚えてこなす事だけでも大変である
まだ1度も渡礁していないポイントも数多くある。そんな中でも好きなポイントはいくつかあるが?過去に実績のある有名な1級ポイントも魅力はあるが、人がたまにしか攻めないポイントを開拓する方が期待と楽しみが一段と持てる!
どんな釣場所でも草垣群島を攻める時、大事な要素が一つある。それは大型口白石鯛が突然遭遇しても充分対応できる太仕掛を勇気を持って使い攻める事が大切である。簡単な事でも釣人には迷いが出てなかなか出来ない事。この忠告を素直に受け入れた方は高い確率で大型口白石鯛を手にする事が出来る事を確約致します。
ここ1年間を振り返れば昨年2月には森田さんが大型アラ30Kgを単独釣行にて下ノ島幼稚園瀬にて捕獲!川崎さんも中ノ島10番の水道にて見事な尾長グレ70cm(2007年度シマノ魚拓カレンダ-採用)を捕獲!その他にも60cmクラスの口白石鯛やイシガキ鯛、それに尾長メジナが多数顔を出し、草垣群島が第1級の実績を保持した島である事を釣果実績にて証明しています

 

71.5cm 6K050gの口白石鯛

私の場合は仕事柄、営業での釣りが主体の為ポ-タ-をしながら釣り客を優先的に降ろしながら空いているポイントを攻めるのが常である!

1月21日に私の携帯に枕崎港の海星丸星田船長から連絡で「23日から1泊2日で草垣群島に行こうか?」と誘われる!が残念ながら22日福岡出張を組んでいた為丁寧にお断りした。それから3時間後出張先の方から日程変更依頼が急に飛び込み23日がフリ-となった。しかもゼニス社から大阪釣具見本市(2月2・3・4日)出品予定の新商品口白専用鳴瀬石鯛SFG500MTが入荷していた。何と言っても23日の潮は月齢から見て最高の狙い潮の日で出張予定さえなければ屋久島へ出かけていた潮である。悔しい思いをしている矢先であったのですぐさま星田船長に連絡、急きょ草垣群島行きとなる。鳴瀬石鯛SFG500MHの始めてのテスト釣行を兼ねる事となる。昨年5月末に私の友人で大物釣師の馬渡氏が川内の鵜ノ瀬にて60cmオ-バ-の石鯛を鳴瀬石鯛500Lにて難なく釣り上げたその後すさまじい強烈な大型口白らしいアタリに遭遇、竿が起きなかったとの情報を聞いた、すぐさま大型対応出来る竿が欲しいとの事で開発した大型対応石鯛竿がこの竿であった。
もちろん今年初めての単独釣行である。こういう時しかA級ポイントには乗れない私は草垣群島到着後どこに乗るか悩みに悩んだのは事実!モリオカ瀬、幼稚園瀬、ネズミ瀬、7番など悩んでいる時、船長から「7番に行きなさい」の一言で大型口白との出会いが決まった。通常釣行では7番は人気ポイントの為私が降りる事はまず無い事を船長は知っていた。事実今までにこれだけ草垣に入るが過去に2回しか渡礁した記憶がない場所である。非常に嬉しい気配りに感謝した。
まずは午前10時まではアゲ潮ポイントで攻める事とする。竿をセット後お神酒を入れて特製ウニ殻ダンゴを潮の流れを読んで大量に巻き込む午前7時を少し過ぎた時シラガウニ丸2個掛けの置竿の穂先に微かなブレを見た!すぐに持ち竿に変えるが弱いアタリだ!少し竿先を押えたので竿先を少し下げてやる!するとグ-ッとゆっくり重みが伝わってきた。そこでアワセを入れず(鳴瀬シリ-ズは#1・#2からの元竿への力の伝わりが早い特長。)逆に竿にテンションをかけ30cm持ち上げ気味にした時、オモイッキリ突っ込んできた!大きく合わせを入れる!ガッチリ手ごたえは感じたがその時まではたいした引きではなかった。リ-ルでドンドン巻き上げた。かなり巻き上げてから強烈な締込みに逢う!リ-ルから糸が「ジ-ジ-ジ-」出て行くばかり、上げ潮が強くその流れに乗っての反撃であるから凄い強烈な引きである!このままでは右方向の岩を回り込む勢いであった。幸い本日の仕掛けは屋久島用の為瀬ズレワイヤ-は極端に長く4mものを使用していたので竿を信頼して思いっ切り会心の力で魚の向きを変えさせた。元竿の強さが凄い!びっくりした!魚の動きを止める事に成功!#1・2番は海中めがけ綺麗な弧を描き元竿の頑丈さには度肝を抜かれた
後はこちらに主導権が移り、ドンドン竿を上手に活用してリ-ルを巻き上げた
海面に浮かせるのに成功した魚は久し振りの71.5cm6K050gの口白石鯛であった。最後のカンモンの取り込みは瀬ズレワイヤ-が長い為容易にワイヤ-を捕まえ引き摺りあげる事が出来た。
このクチジロは素晴らしい竿との出会いと船長の気配りに感謝あるのみ!感動の1枚となった!そして草垣群島が今年もまだまだ期待出来るフィ-ルドである事を証明してくれた。

 

草垣のクチジロシ-ズンについて

草垣群島では50cmから60cm前後の元気の良い口白石鯛や良型イシガキ鯛が非常に多い!今回のように70cmをオ-バ-する大型口白石鯛も草垣に出入りする各瀬渡船で年間数枚程度は確認している。3月から5月にかけてが良く釣れている。
海水温の低い時は赤貝、ヤドカリ、ガンガゼで良いが、私の場合冬場でも屋久島での釣りと同じシラガウニを必ず使用している。2月、3月の寒い時季にはシラガウニ丸掛けが良く結果に結び付いている!単にハリに丸掛け2個付けるのでは無くハンマ-でその時の喰い方に合わせ強弱の潰し方など工夫が大切である。餌の付け方一つで魚を走らせる事が出来と思っている。ガンガゼ餌のみでは餌盗りにやられたり、小型イシガキに盗られたりする可能性が高いためシラガウニと併用で時合に工夫と攻める棚を変え積極的に攻めるべきと思う。

急激に外気温が落ちて寒い時での狙い目は上げ潮ポイントで水深の深く水温が比較的安定した釣場を出来る限り狙う。今回も23mと水深があり、そこから序々にあげて17mの棚から走らせた。シラガウニの方が他の柔らかい餌類よりも口白の前アタリを取り易く主導権を握り、攻めて走らせる事が出来るから使用している。
上げ潮の方が下げ潮よりも海水温度が1度C弱高い事を覚えておきたい。

釣行スケジュ-ルの組み方

私は拘りを持った釣行計画を立てている。口白石鯛と遭遇させるには旧暦、月齢、海水温など自然条件が整わなければなかなか出てくれない。たまたま前以って計画を立て準備してもその日の天候により断念する事も多い!
草垣群島で口白を狙う場合、この海域は東シナ海の中に位置する為非常に潮の流れが速い事を頭に置き小潮・長潮・若潮周りが潮が緩いので攻め易い、又大潮、中潮であっても潮止まり前後の流れの緩んだその時間帯だけを集中して狙う事も良い。
毎日干満の潮の動きがあるのでその当日の潮の止まりハナ、動きハナには充分注意して釣りをすれば遭遇確率が高くなる。
2月、3月はまだまだ寒いし水温も低いので上げ潮に期待したいものです。

しかし今年の場合は海水温度が異常に高く冬場の12月、1月に顔を出す尾長メジナがサッパリであると同時に、2~3m級の大型サメが多数この海域に入り込み上物釣人を悩ませている。海水温度が高い反面、石鯛ファンはまだまだ石鯛が狙えるという意外性でもある。

 

草垣群島の口白石鯛の釣り方解説

●ポイント選び

寒さで海水温が変化する時期は水深の深い場所を選ぶ方が良い。
今回7番での遭遇もポイント選びで幸を制した。東側上げ潮ポイントは少し遠投すれば23から24mと足元より深い。反対に人気のある下げ潮ポイントは16から17mと比較的浅い。この日の釣りは終日下げ潮の動く日でもあったが寒い日であったので下げ潮ポイントに入らず朝1番の短い時間だけ集中して上げ潮ポイントを攻める事で結果につながった。7番ウラの場合は海水温の安定する4月になれば下げ潮ポイントにて大型クチジロが良く顔を出す一級ポイントで人気がある!
●仕掛けの解説
今回クチジロを仕留めた後船の中で星田船長が質問してきた。ハリの号数、ワイヤ-の大きさ、瀬ズレの長さなど、石鯛釣師(元宮崎石鯛クラブ会員)だけに鋭い質問責めであった。
小さな仕掛けではあのクラスを確保するのは不可能に近くマグレに等しいと一言いわれた!私の場合は痛い想い出の学習からどこでも太い仕掛けのみである。道糸26号、ハリ宙釣り石鯛19号、ハリス#36番長さ40cm、瀬ズレワイヤ-#36番4mの長め、ナマリは30号、リ-ルのドラグ調整も固めにしておいた。ボ-ズ覚悟で大型を狙う構えの仕掛けを装着すべきである。
●餌の種類や装着法
付け餌は最低でも2種類は準備する。出来る事なら2から3種類以上のほうが目先を替えて攻める事が出来る!
私の場合はシラガウニ5Kgガンガゼ20個程度、バフンウニ500g程度、赤貝2Kgは持って行く。喰いが悪い時はシラガ芯3個の上に荒割り赤貝5から8個付けて投入する事もある。シラガウニ丸使用の場合は割れの強弱にてどの様にでもアレンジが出来るので攻め方が多彩になる。その点ガンガゼは単純になり大型クチジロの前アタリがとり難い。(向こう合わせの食い込みの良さは完璧だが?)
●マキエの種類
使う主力餌がシラガウニの為、ウニ殻、ウニネリダンゴ(オリジナル撒餌)を使用している。1日の釣りで3袋(3150円)。半日釣りの場合で2袋(2100円)使用する。
ウニ殻は潮の緩む潮止まり時間帯だけに集中して撒く。(クチジロ狙いの日にはその時間帯が狙い時刻なので使用しない)ウニネリダンゴは丸い玉状なので3から4個コマメに終日まき続けるのがコツ!
●タナの探り方・喰い渋るアタリへの対応
クチジロの場合永年生息した歴戦のつわもの!20年から25年も生き抜いて来ただけに餌をガンガン喰って来ないのが常である。小さいイシガキ・石鯛はガツガツ、キュ-ンと気持よく命を落として来るがクチジロは一味異なる!潮が緩み出した時にアタリも出さないで居喰いにより釣人の餌を意図も簡単に盗って行く方法を長年の間に習得して生き抜いたのがクチジロだ!
そのアタリすら出さないクチジロだからこそタナで勝負する必要がある。最初は底を狙う、餌の食べ方でクチジロと直感したら次回には前回より矢引き(60から70cm)程度上のタナをせめる。アタリが小さければさらにまた矢引き上に上げて待つ。相手が居れば必ずついて来る。勝負時にはさらに上げる。クチジロはいつもの生息水深より上に上げられたのに気づいた時に仕掛けの餌をくわえ静かに元の棲家に戻ろうとする動き、その事が我々釣り人にわずかな竿先の押さえ、糸の張りの変化、微かなアタリとして伝ってくる。
●釣りスタイル(置き竿か手持ちか)
口白の場合に限り置き竿にて待つ方が微かな前アタリを取り易い。しかしクチジロを攻める時は断然、持ち竿が有利である。
クチジロは潮の動き方で当たってくるし、集中力の釣りである置き竿の方が疲れなくて済む。私の場合は殆んど置き竿だが勝負時は9割方手持ちにて勝負し捕獲している。攻める持ち竿の場合は相手より常に主導権をこちらが持っている為相手の動きを察知しているので負ける事が少ない。
置き竿は急に突っ込まれた時、慌ててしまい相手に負けてしまう事が多い。
●合わせのタイミング
ウニ餌使用の場合には遅れ合わせで充分!手持ちの場合は大きな強烈な力が手元に伝わってくるが決して慌てて早合わせをしない事。竿の元まで重々しいアタリが伝わってきてからワンテンポ遅れて大きく合わせをいれる。早合わせはバラシのもとです。
置き竿の場合穂先が突っ込んでも慌てず元竿までしっかり力が伝わってから余裕を持ち慌てずに竿受けから外し大あわせを入れる。
●バラさない為のアドバイス
クチシロのあごは大きい地獄に掛ける為には大きいハリを使用する事。
道糸は大きめを使用し瀬ズレワイヤ-は長い程良い。
2点が揃って居れば後は竿の調子にあったリ-ルのドラグ微調整が一番大切である。竿を信頼して極限の必死の締込みの力を竿の弾力とリ-ルのドラグ調整でかわす事ができるかどうかである!
釣座でどの場所に魚を浮かせ取り込むかも決めておく必要があります。
●草垣群島推薦ポイント
●7番--草垣群島の中で大型クチジロが良く釣れる人気ポイントで上げ、下げ潮が狙える。
◆西側の下げ潮のポイント

足場が平坦で釣りやすい。2名で竿は充分だせる。下げ潮は正面から差し込んでくる。左側の高い所から竿を出すと取り込みも左の低い棚を利用できるのが便利。

※上げ潮のポイントに移動するには後ろのカベを登らなければ行けないので前もってロ-プの準備しておく必要がある。危険な為、瀬渡船にて移動するのが安全です。(転落してアバラ骨を痛めた釣友達もおります。)
◆東側の上げ潮ポイント

こちらは潮の流れは速く、今回クチジロが顔を出した場所でもある。大きな高い瀬で上の方ではゆっくり寝る場所もある。ポイントは東側の高い場所から正面20mほど遠投すれば25mほどの水深がある。上げ潮は正面から押してきて左右に別れて流れる。

上ノ島1番--草垣灯台のある大きな上ノ島の東側にあり、少ない人数の時は敬遠されているが急激な70m深みからはいあがる場所にある為、水深が20から30m近くある場所もある。それに潮通しが良く、根掛かりの多い場所ではあるが大型クチジロが良く釣れる穴場的場所である。(冬場、夏場の水温が安定しない時季の狙いは面白い)

 

●4番--4番瀬は低い独立礁の為ナギの日に攻める場所水深は23から24mとかなりあるが下げ潮がキツイ時は15から16mのタナで釣る。撒き餌が釣座の右に溜まるような潮の時は数釣りも望める。数釣り出来る日は油断大敵必ず大型がヒットする事が多くあるので要注意!

●モリオカ瀬--12番と13番の間の海峡の真中にあり上げ潮、下げ潮両潮とも流れがキツイ為両潮ともカベ釣りをする。根掛かりが非常に多いが潮止まりに大型クチジロが顔を出すA級ポイントである。

●幼稚園瀬--下ノ島14番東側にある瀬で足場はあまり良くない上げ潮が差し込んでくる時に足元30mの深場の上のカベにて大型クチジロが狙える攻め方次第では面白い場所。昨年旧暦28の中潮で口白3枚捕獲した釣人もいる。

●ネズミ瀬--10番の東側にあり上げ潮が狙い目、下げ潮も回り込み潮で狙える。
以上のクチジロが狙えるポイントはすべて尾長メジナ、アラが狙える共通の釣場であり潮通しの良い場所の為、根掛かりが多い事を覚悟して攻め方に工夫が必要である。

 

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