大物が捕食するタイミングは月齢に支配されている!「いつ釣れるか!」に迫る究極の時刻表「大漁時刻表」の紹介。シラガウニの販売も

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屋久島 前篇

2006年10月 執筆

トカラ列島諏訪之瀬島の魅力あるちいさな独立礁(チョコ瀬)との出逢い。

平成3年5月のゴールデンウィークに枕崎港よりトカラ列島諏訪之瀬島へ1泊2日の釣行をした。
友人である大分の三平釣具(工藤社長)より「3名お客をたのむヨ!」と初めて諏訪瀬遠征する釣人3名を預かる事となった!
夜中12時に枕崎港を出港。波も風も無く最高のトカラ遠征となり快適に一路諏訪之瀬めざして南下。朝5時前に諏訪之瀬到着須崎から順番に釣人を下ろす。ドクロ瀬を回った場所で船長が私にあの小さな瀬に行ってみようと言い出す。私は船の先端のホースベットに立ち水深を確認しながら船を誘導していった。
たまたま入った方向が良く運良く瀬に到着、まずはひとり瀬に飛び乗り瀬の周りを確認する。足場が良く水深は8m前後で浅いが大きなゴロタ石がアチコチ点在し、石鯛、シブ鯛には良さそうな釣場である。
大分の3人組をこのポイントに降ろす事にした。
一人はベテランであると荷物を手渡す動作で覗えた。
船はそのまま残りの大物釣り師達をのせ作地ハナ方面へと移動した。夕方弁当配りの手伝いで各ポイントを巡回して見回った。
例の3人組を降ろしたポイントに近づくと3人とも興奮してこちらの船を呼ぶ・・・急いで近づくと何と大小イシガキ鯛が氷も入らないほどクーラー一杯の状態であった。あまりの大漁に船長と顔を見合わせお互いに右手の親指を立てて「グッー」責任を果たし安心した。翌日枕崎港入港後港で数をかぞえてみると3人で40数枚の釣果。
大分まで早々と帰って行かれた。帰宅後この話が伝わり熊本八代の釣人から電話が入り「是非例の場所に連れて行って欲しい」との事そこで熊本・北九州地区の釣人15名を連れて再度挑戦となる。天候には恵まれて今回も快適な釣行となる。
午前4時半、真っ先に例の問題の場所に熊本の二人組みをウニ殻撒餌一杯持たせ降ろした。9時の見回り、ボーズ!昼の見回りも同じ7時間粘っても竿先一つ動かない!残念ながら瀬替わりしたいとの要望で他の場所へお二人を移した。空いたポイントに北九州の3人組が夜釣りを兼ねて乗りたいとのことでその様に替えた。それから19時間ベテラン3人組が朝まで粘ったが石鯛1枚も顔を出さなかった!
前回の大分組がこの瀬の周りの石鯛の群れをすべて根こそぎ釣りあげたのだろうか?一瞬不安を描いた。

 

諏訪之瀬島チョコ瀬でのクチジロとの出逢い。

それから1ケ月後の6月9日日曜日、船長から直接電話が入り「諏訪之瀬に少ない人数で行くがたまにはゆっくり一人で釣りにきなさい」とお誘いを受けた。今まで一人でトカラまで釣行した事は1回もない。すぐさま準備を済ませ単独釣行となり一路枕崎までウキウキ気分で車を走らせる。今回も天候に恵まれ諏訪之瀬島までの船旅は快適である。
島に到着して1番目に私が呼ばれた。「いつもの場所に一人で降りて石鯛が本当にもういないのか探ってみて!」との事。
地元の漁師はその瀬を「チョコ瀬」と呼んでいる。チョコ瀬で釣りをするのは始めてである。足場は非常に良く3名は釣りがゆっくり出来る丸い瀬で諏訪瀬島本島から50から60m離れた場所にポツンとある釣場である。いつもの様にお神酒を入れ、竿受けピトンを岩場に打ち込み、ウニ殻撒餌を10Kgまるまる投入し第1投は午前5時半すぎ。
シラガウニ丸2個掛けである。5分、10分と置き竿で待つが当たりはまったく無し、20分放置した仕掛けを上げて見るが何にも変ってない!投入時と変らないきれいなまんまである。餌取りもいない?先月ゴールデンウィーク期間中の大爆釣がウソみたい。この海域は浅いし「もうすべての石鯛は釣り終わったのかもしれない?」などといやな事を考えだした。あれこれ考える内に時間だけがどんどん経過して行く。時計を見るともう8時半になろうとしている。東の方から巡回の見回り船が近づいて来る。「どうですか?」と船長が陽気に声を掛けてくる・・・元気なく頭の上で×印の合図を送る。声もでない!船長もがっかりし静かに目の前を通りすぎて行った。
船が後方の岬を回り姿が見えなくなってまもなくした時である。私の置き竿の穂先が微かに動いた!が続かない。静かに上げて見るとウニ餌が綺麗に無くなっている。
すぐさま食い気を誘わせる為にウニ殻マキエを半分5Kg程度撒き込む。撒き餌が海底へと落ちていく様子をみている時に「ハッ!」と気が付く。始めてチョコ瀬に近づいた時私自身が舳先のホースベットにて海底の浅瀬を警戒しながら瀬に誘導して近づいた時、海底の岩などがはっきり見えていたのに今は濁って底が見えない、この島は活火山で、いたる所海底よりイオウなどが噴出している。丁度今、最干潮で東より上げ潮がゆっくり動き出した。
上げ潮が押し出すと少しずつ透明度が増し魚の喰いに影響が出てきた!新たにシラガウニ芯3個掛けにて投入する。持ち竿で攻めるが反応がない。置き竿に変えて待つ事3分穂先が微妙に揺れた。すぐ手持ちに変えて攻めて見た。少し重みを感じるので30cmほど竿先をさげる。微かな重みを感じさらにゆっくり下げてみる・・・穂先を精一杯海面近くまで下げた、急に石鯛独特の力強い力が竿に乗ってきた。「来たッ!」と大きく合わせを入れた。
竿がきれいに弧を描く!かなり良い締込みで反撃してくる。竿でためて動きがとまればリールを巻く、また締め込んで来る何回か同じ動作を繰り返す内海面に姿を現したのは3Kgクラスのクチジロだった。
慎重に1枚目をキープする。
1枚おみやげが取れたので気が楽になる。この海域はサメが非常に多い為ビクやストリンガー使用はさけた方が良い。
持ち帰る魚は必ずクーラーに保管する事を心掛けたい。時計で釣れた時間を確認する午前9時少し前だ。持って行った残りのウニ殻15Kgすべて撒き終え少し遅い朝食をトカラの海を見ながらゆったり済ませる。
今考えれば約20分釣場を休ませたそれが良かったようだ。腹ごしらえして余裕の釣り!シラガウニ芯3個掛けにし軽い気持ちで投入!いきなり激しいアタリが出て竿が舞い込む!30分で8枚!しかもすべて型揃いの2~3Kgクラスばかり!イグロ72型のクーラーに立てにきれいに並べて入れた!1泊2日の遠征1日目の午前10時、もう満足、釣りを止めてもう帰りたい気持ちになるが釣人は欲の塊、また釣りたくなる!仕掛けを投入、釣れるは釣れる・・・後の魚は無造作にクーラーに放り込むだけ・・・!とうとうイグロ72型超満タンとなり、食料専用クーラー(イグロ52型)の中身を出しその中にも石鯛を入れる事となる。
11時を少し回った頃今までと一味異なる魚と遭遇、慎重にやり取りする。大きい、締込みも違う、「バレルナ!」願う気持ちで竿先の海面を見るがなかなか浮いて来ない。
「やっと浮いた!大きい!」68cmのこの日最高の口白石鯛となった。嬉しさを越える感激の1枚となった。
クーラーに丁寧に納め、タバコを一服していると2回目の船の見回りが近づいて来た。釣りもせず瀬の上のクーラーの上に腰掛けてタバコを吸っている自分を見て船長は「瀬替わりしようか?」という。
頭上で大きく○印の合図を送る!船に飛び乗り船長に9時からの2時間半で大型クーラー2っ満杯の27枚もの口白石鯛・イシガキが釣れた話をする。
船長も喜んでくれた。ドクロ瀬で頑張っている四国からはるばる遠路遠征してきた4人組みがまだ1枚も釣れていないので私はもう釣りを止めて船でゆっくり休む事にして彼らに瀬をゆずった。
夕方の巡回の時四国の方の釣果情報を聞くと私のクチジロより大きめを1枚!さらに全員安打で合計15枚も釣れてみんなから感謝され喜んで頂いた。夜は船の上で釣りたてのイシガキ鯛を味噌汁にして遠く東京のラジオ電波(文化放送)からながれる西武ライオンズ戦を聞きながら夕食を終えた。
この日は西武ライオンズも圧勝で最高の釣行となった。参考の為、この日の潮は旧暦28日月齢26.9でその後この潮周りにて70cmオーバーのクチジロが竹島・屋久島などで8枚もあがった。平成18年11月18日(土曜日)が久し振りに回ってくる旧暦28日月齢26.9の潮まわりとなる。この土曜日は天候が良ければどこかで大型魚と遭遇の話が聞けるかも?

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