大物が捕食するタイミングは月齢に支配されている!「いつ釣れるか!」に迫る究極の時刻表「大漁時刻表」の紹介。シラガウニの販売も

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屋久島 前篇

2007年5月 執筆

口之島釣行概要

鹿児島から南西へ約200キロ離れた北緯30度、東経130度のまじわる付近のトカラ列島の玄関口に位置し、今でも水蒸気を吐き出す燃岳がある活火山島である。

鹿児島新港から村営定期船「フェリ-としま」が毎週、月、水、金の夜11時に出港して最初に着く島がこの口之島で1泊2日の釣行の場合滞在時間が一番長い為、釣人に人気のある島のひとつである。

私も鹿児島港からニ十数回はこの定期船を利用して口之島のクチジロ狙いで通った。有望なポイントは島の南側の小立神、大立神が一級ポイントで良型口白石鯛が過去に何枚も顔を出している。その他にも赤バナのハナレ、赤バナ、水深のあるリンドウ瀬、港の近くの丸瀬、平瀬、グノメや島の最北端の赤瀬など魅力あるポイントが多数点在している。ただ釣行時には虫よけスプレ-や防虫ネットは持参した方が良い。私の場合ブヨ(ブト)に大変好まれるのか?首や手首、ブトに刺され腫れ上がってしまい。帰宅後病院に駆け込むのがこのトカラ遠征の日課となっていたが、回数を重ねる内に免疫が出来たのか最近はさほど酷く無くなったようだ。初めて遠征を企画される方は防虫対策は取って行かれた方が良い。石鯛釣りは集中力である。目の前を小さなブヨがアチ、コチ飛びまわり、気が付かない内にいつの間にか刺されその後が非常にかゆくて石鯛のアタリを取るどころでなく注意散漫となる。竿を送る事すら出来なくなるから面倒である。

北緯30度線付近に位置する口之島、ニヨン礁、屋久島、口永良部島など口白石鯛の宝庫地帯である中で最も石鯛の多い島で期待が持てる島がこの口之島であるが、島の気候が暖かい為か冬場でもブヨがいるのが面倒だ。ただし風のある日は小さなブトが出てこないので狙い日である。

 

凄い石鯛釣り大先輩との出会い

平成元年6月。

その当時はまだ手持ち石鯛釣り専門ビデオの無い頃で下村会長(九州磯釣連盟会長)の音頭で九州各県から石鯛釣師を集め、ニヨン礁(トカラ)に取材で出かけた時。

ニヨン礁の取材はそこそこできたが天候の関係で安全を取り口之島へ昼から転戦した

その途中、小立神に渡った釣り人が何回も大型口白石鯛にやられ惨敗したとの事。

翌日、ビデオ取材陣が全員小立神に降りた。

私は対面の大立神に渡礁した。その中で注目したのが今里準さん(八女在住)の釣り方である。この大先輩釣師の釣り方を見て釣技レベル高さ、石鯛釣りの奥域の深さを思い知らされた。現に我々釣り人は石鯛のアタリを取ったら竿先を送り、魚の走り出す力を竿の元竿に感じ取りその瞬間に大きな合わせを入れるのが常である。釣り人の言う「竿に乗った」状態である・・・が、この方の釣り方は凄かった。私は少し離れた対岸の釣場からその釣りの一部始終を自分の釣りを止めてじっくり見せてもらう事が出来た。あれだけ長い釣り時間の中で今里氏が本気で怖いような集中力での構え方に入られたのはこの時1回きりであった。そのうしろ姿はさすが大型口白石鯛数百枚と幾度となく対峙してこられた年輪を感じさせる歴戦の跡を物語っていた。

私は目を疑った。竿先が海中に突っ込むでもなく!竿先に何も変化がないのにいきなり大きな気合の掛け声で大合せを入れられた。その直後竿は大きく弧を描き石鯛独特の引きに変り良型イシガキ鯛を捕獲された!この一連の流れはビデオに完全に収録されていた。どのタイミングで合せを入れられたか?瞬間が読めずその後ビデオを何回も繰り返し繰り返し見てみたが結局はその高度なタイミングは解読出来ず数年経過した後に今里さんにお会いした折この合せについてお尋ねした事があった。

「潮の動きがこの日は悪く喰いの活性化が良くない為居喰いしていた!微かに喰い上げした瞬間に餌を喰えたと判断して合せた」との事でした。映像を見たらガッチリ地獄に綺麗にハリ掛かりしていたのには吃驚させられた。

次元の違う究極の技であった。私が今里準氏を心の底から師と仰ぐ様になったのはこの平成元年からである。それからは師とは何回も八女・宮崎でお逢いしていろいろ石鯛釣りの基礎話を伝授して頂き現在、私の石鯛釣りの中にしっかり芽生えている。

 

始めての口之島石鯛

平成3年ニヨン礁1泊2日遠征の時、ニヨン礁灯台瀬にて石鯛釣りで良型石鯛を1枚キ-プしたばかりの時見回り船が近寄り「夜は前線が南下するので口之島へ転戦します。12時には道具類を整理して下さい!」との事。残念。私の乗っている灯台瀬は下げ潮ポイントなので朝から逆潮の中撒餌を続けて昼から夕方を勝負時と決めて渡礁していたのに残念無念!辛うじて午前11時に1枚今日始めてのアタリで捕獲し今から期待できたのに?天候には勝てない。諦めた。

この日はあまり釣果が良くなかった。海王瀬に乗っていた坂井さんが3Kgクラスの口白石鯛1枚捕獲が目立つ程度で他の仲間は殆んどボ-ズ状態であった。

12時半にはニヨン礁を後にして一路口之島へ我々はグッスリ船底にて1時間、熟睡した。前線接近は本日夜中になるみたいで現在天候は多少雲は多くなったが晴れ、風、波無しの状態である。口之島での釣りは始めてである。まずは小立神に2名、大立神2ヶ所に4名と順番に釣り人を降ろして行く。残り4名となり口之島を半分通り過ぎた時中須船長が「あのハナレを攻めよう!構えて!」と私の目をみながら話かける。夕方までの釣りとなるので荷物を出来る限り最小限にまとめて急きょ瀬に飛び乗った。渡礁して見ると船から見るのとでは異なりかなり大きい瀬であった。

午前中、使用したシラガウニの残を全て潰し足元に撒く。明日の天候が保証出来ないので新しいシラガウニ餌を全部使用する事にした。下げ潮は西側からドンドン当たってきていた。

潮の当たっていなかったニヨン礁と異なり、1投目から石鯛のアタリがガンガン当たってきた。竿先を少し下げるだけでキュ-と舞い込む!何の技術もいらない!ウニ餌を付けて足元に投入するだけですぐ舞い込む。釣れる、釣れる57~58cmクラスの型揃い小型口白石鯛の入れ喰い状態となった。わずか2時間の釣りで8枚も捕獲する事ができた。後にも先にもこの口之島では2時間足らずで良型をこんなに数釣りした事はこの最初の釣行の時だけである。ニヨン礁を転戦して口之島へ移動した事に感謝した。本当は有名なA級ポイントでの石鯛釣りを夢みたのだがこの様に無名の礁でも思わぬ爆釣があるのだから石鯛釣りは潮の入り方、アタリ方次第でA級ポイントに変わる事を身を持って勉強させられた口之島初釣行であった。

この時は釣れた口白石鯛をストリンガ-に付けて海の中に落とし込んだが運良くサメの餌食に成らず無事でしたが2回目、同じ場所でサメに襲われ、ストリンガ-に付けた石鯛すべて食べられてしまう貴重な勉強もさせられた。

トカラ列島での釣りではストリンガ-は不要で必ずク-ラ-に収納する事が大切です。

私の体験からはトカラ遠征の場合は飲料水は大目に持参する事と麦ワラ帽子(格好は悪いが必持品)布地パラソル・虫除けネット・着替え類など釣り道具以外の暑さ、虫対策が必要です。夏場の南方の島々を甘く見ないようにしたいものです。

 

口之島お奨めポイント

今までの過去の実績のあるA級ポイントはもちろん狙うべきですが今まで上物主力の釣場で水深が8m前後あり潮通しが良い場所で過去に尾長めじなが釣れた場所ならば是非、撒餌を入れるべき新しい石鯛の狙える貴方だけのポイントに早代わりする可能性が生まれる。また港の沖の一文字防波堤でも潮通しが良く大型口白石鯛が数顔を出しています。(安全で虫がいないのが嬉しい)平成7年10月にはシラガウニ丸2ケ掛けにて9k800gの珍しいナポレオンフィッシュをこの場所にて仕留めた事もある。無理な釣行は控え、現地に着いた後も必ず刻々と変化する生きた天気図を携帯電話を利用して必ず見る事が絶対条件である。現在は便利になったものだ。10年前では考えられなかった事である。自分の安全は自分自身で確保しながら離島遠征を楽しんで頂きたいものです。

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